着床力と漢方(瘀血)
着床力と漢方(瘀血)
妊娠するためには卵子力と着床力、それともう一つ大切なことはマインドです。
卵子は種、着床は土と考えると、良い芽がでて育つためには
良い種、フカフカとした良い土壌が必要となります。
今回はこの着床するための土のことをお話ししていきます。
東洋医学では、『瘀血(おけつ)』という考え方があります。
瘀血とは、全身的な血液循環障害、局所的なうっ血、外傷性あるいは炎症性の内出血をいい、血の動きが悪くなり、その結果病症としてあらわれます。
この瘀血が妊娠するための土の部分である着床力を低下させます。
子宮内の瘀血を胞宮瘀阻といい、
この胞宮瘀阻をしっかりと取り去り瘀血体質を改善することが着床しやすい土作りとなります。
胞宮瘀阻の病気としては
子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮腔癒着・子宮内膜のポリープです。
たとえ、とても小さい筋腫だとして妊娠には影響ないと判断されても
体質的には子宮の血流が悪くなって瘀血の状態となっています。
この瘀血になりやすいパターンを改善していくことで、
子宮内膜の感受性があがり、着床しやすい体となる以外に
将来瘀血が関係する病気の予防にもなります。
子宮内膜症とは、子宮内膜(子宮の内腔にあって月経の時に剥がれる部分です)と同様の細胞が、子宮内腔以外の場所(卵巣、子宮筋層、その他骨盤内)に定着してしまう状態をいいます。
卵巣に定着した場合にはチョコレート嚢腫、子宮筋層に定着した場合は子宮腺筋症、骨盤を包む膜(腹膜)の奥に定着した場合には深部子宮内膜症といい、発見されにくさ、オペの難しさは一番であると言われています。
子宮内膜症は、妊娠率低下させることは知られていますが、ではなぜ妊娠率を低下させるのでしょう?
一つの理由としては、様々な炎症性のサイトカインが骨盤内に増加し、サイトカイン(IL-6)は卵管の輸送運動を低下させるためです。
また、 子宮内膜症は骨盤内に癒着をもたらすことが知られていますが、この癒着が卵管
を狭くし、卵管の閉塞などを引き起こします。
さらに、癒着が進むと卵管采の完全閉鎖、卵管留水腫となり卵管性不妊になります。
筋層内の内膜症である腺筋症の場合では反復する出血から子宮が硬くなります。
今は治癒していても
一度、子宮内膜症、ポリープ、子宮筋腫等が
なったことのある方で、妊娠されない場合は
子宮の中の瘀血(胞宮瘀阻)をクリーニングすることに着目されることをお勧めいたします。