夏の終わりに「急に老けた気がする…」それ、夏の消耗が残っているのかもしれません
鏡を見て、
「なんだか肌が疲れている」
「髪がパサつく」
「最近、白髪や抜け毛が気になる」
「朝起きても疲れが取れていない」
「以前より回復するのに時間がかかる」
夏の終わりに、こんな変化を感じることはありませんか?
単なる「夏バテ」で終わらせてしまいそうですが、
中医学では少し違った角度から身体を見ていきます。
キーワードになるのが、
「腎精(じんせい)」です。
夏は「心」の季節。でも「腎」も忘れないで
中医学では、
春は「肝」
夏は「心」
秋は「肺」
冬は「腎」
と、季節と身体の働きを結びつけて考えます。
そのため、「腎を養うのは冬」と思われがちです。
ところが、
暑い夏は身体にとって、とても消耗の大きい季節。
大量に汗をかく。
暑さで体力を奪われる。
寝苦しくて睡眠が浅くなる。
冷たい飲み物や食べ物が増える。
食欲が落ちる。
胃腸が疲れる。
こうした小さな消耗が毎日積み重なっていきます。
特に今年のように暑い日が長く続くと、
身体は回復する間もなく、
ずっと暑さに対応し続けることになります。
中医学的に考えると、
夏の間、
身体の大切なエネルギーの貯金を少しずつ使っているような状態です。
その「生命力の貯金」のようなものの一つが、
「腎精」です。
「腎精」は若さと老化に関係する
中医学の「腎」は、単に腎臓という臓器だけを
意味するものではありません。
成長、発育、生殖、骨、髪、耳、足腰、
そして老化などにも関係する、大きな概念です。
その腎に蓄えられている大切なものが「腎精」。
腎精は、年齢とともに少しずつ減少していくと考えられています。
だからこそ、腎精が十分に保たれていることは、
中医学では若々しさや回復力を保つことにもつながります。
反対に、腎精の消耗が進むと、
疲れが取れない
髪のツヤがなくなる
白髪や抜け毛が気になる
足腰が弱く感じる
耳の不調が出る
眠りが浅くなる
肌の潤いがなくなる
など、
これまで気にならなかった変化を感じることがあります。
40代、50代になると、
「去年の夏は大丈夫だったのに、今年はなぜかしんどい」
という方が増えてきます。
それは、単に年齢のせいだけではなく、
身体の回復力と消耗のバランスを見直すサインなのかもしれません。
では、栄養のあるものを食べればいい?
もちろん、身体を養う基本は毎日の食事です。
「夏に消耗したなら、秋にしっかり栄養を摂ればいい」
そう思いますよね。
ところが、ここに大切なポイントがあります。
「食べている」ことと、
「身体が受け取れている」ことは同じではありません。
いくら栄養価の高い食事をしていても、
胃腸が弱っていて、
きちんと消化・吸収できていなければ、
身体は十分に利用することができません。
また、人によって
吸収はそれぞれ違います。
ここで登場するのが、
中医学でいう「脾(ひ)」です。
老化対策なのに、なぜ「胃腸」が大切なの?
中医学では、
食べたものを消化・吸収し、
身体に必要な「気」や「血」へと変えていく働きを
「脾」が担っていると考えます。
生まれ持った生命力を
「先天の精」とするなら、
毎日の食事などから
身体を養っていく力は「後天の気」。
そして、
この後天の気をつくるために重要なのが「脾胃」です。
つまり、
食べる
↓
脾胃で消化・吸収する
↓
気・血をつくる
↓
全身を養う
↓
腎精を支える
という流れがあります。
だから、中医学のエイジングケアは、
「腎に良いものを食べればいい」
だけではありません。
腎を補う前に、それを受け取れる胃腸があるか?
ここを見ることがとても大切なのです。
「身体にいいものをたくさん摂っているのに変わらない」方へ
サプリメントも飲んでいる。
タンパク質も意識している。
美容に良いものも摂っている。
食事にも気をつけている。
それなのに、
「疲れが取れない」
「肌や髪が変わらない」
「年々、身体がしんどくなる」
という方は、
何を足すかだけではなく、
それを消化・吸収して使える身体になっているかを
一度考えてみてもよいかもしれません。
特に夏は、
冷たい飲み物、アイス、生ものなどが増え、
胃腸に負担をかけやすい季節です。
暑さで体力を消耗しているのに、
身体をつくるための「脾」まで弱ってしまう。
すると、
夏の消耗を十分に取り戻せないまま秋へ入ってしまいます。

高価な美容液を足す前に、身体の中は潤っていますか?
肌が乾燥したら美容液。
髪がパサついたらトリートメント。
もちろん、外側からのお手入れも大切です。
でも中医学では、
肌や髪に現れている変化も、
身体の内側からのサインとして考えます。
外から何を足すかだけではなく、
内側から肌や髪を養う力が残っているか。
40代、50代からのエイジングケアでは、
この視点がとても大切になってきます。
若い頃と同じように頑張るのではなく、
「消耗させない」
「きちんと補う」
「きちんと吸収できる身体にする」
という考え方へ変えていく。
これも中医学の養生です。
夏の終わりは「老化を進めない身体づくり」のタイミング
夏の終わりに、
「なんとなく老けた気がする」
「身体が重い」
「朝から疲れている」
「肌や髪に元気がない」
「眠っても回復しない」
そんな変化を感じたら、身体からのサインかもしれません。
夏に使ったものを、そのままにしない。
秋から冬に向かって、
脾胃を整え、気血をつくり、腎精を養っていく。
身体は「何歳だから」と
年齢だけで決まるものではありません。
同じ年齢でも、
消耗の仕方、食事、睡眠、胃腸の状態、ストレス、
そして回復する力は一人ひとり違います。
だからこそ、
「何を飲めば若返る?」ではなく、
「私は今、どこを消耗しているんだろう?」
そんな視点で、一度ご自身の身体を見てみてください。
夏の終わりは、
これからの身体を整え直す、とてもよいタイミングです。
漢方では、その方の今の状態をみながら、
「腎」だけを見るのではなく、
「脾」「気」「血」「潤い」など、
身体全体のバランスから考えていきます。
老化を気にすることより、
老化を加速させる“消耗”をそのままにしないこと。
これからの10年を元気に過ごすためにも、
まずは夏に頑張った身体を、
内側からいたわってあげましょう。

